患者さんと何を話せばいいの?

リハビリ

臨床実習の中で、患者さんと何を話せばいいの?と思うことがありますよね。

バイザーの先生から「(その場から)ちょっと離れるね~」、「患者さん見てて」などと言われ、患者さんと2人きりになると、“何を話そう…”と構えてしまいます。

(こんなこと聞いちゃ失礼かな…?)
(黙ってるのも失礼だし…)
(何か話さなきゃ…!)

色々思考を巡らせますが、何も浮かばない…そんな経験が僕にもあります。

今回は「患者さんと何を話せばいいの?」といったテーマで、話題の考え方や、PT・OTの実習生として考えなければいけないことを踏まえ、皆さんに“会話のネタ”を提供したいと思います!

1.患者さんに失礼な話題は“〇〇〇〇“

まずはタブーを避けることから考えましょう。

結論から言うと、失礼に当たる可能性のある話題は“家族関係”です。

あたりまえかもしれませんが、離婚歴、配偶者との死別、内縁の配偶者がいる等の場合は、ご家族の話題は配慮する必要があると思います。あらかじめカルテ等で家族構成や生活歴を確認し、話題に配慮しましょう。関係性ができてきたうえで、込み入った話をすることは全然構わないと思います。

家族関係以外の話題なら、そこまで過度に気を遣わなくて良いかなと思います(女性の患者さんに年齢を聞くのは、たまに痛手を食らいますよw)。

僕が学生の頃は、病気(入院のきっかけとなった疾患)に関しての話題は失礼にあたるかな…と考えていたことがありますが、今思えばそこまで気を遣わなくてよかったなと感じています(がん患者さんは少しシビアかもしれませんが…)。

理由は、病気を話題にすることで、「患者さん本人の疾患に対する感じ方・受け入れ度合を知ることができる」と考える様になったからです。 「こんな話題を振るのは失礼かな?」「〇〇について聞いたら患者さんに怒られた…」などのエピソードがあれば、コメントで教えてください。

2.“入院した友達と話す感じ“をイメージしてみよう

「失礼な話題を避けたとしても、やっぱり患者さんと何を話せばいいかわからない!」

そんなもんですよね…
けど、いい方法があります!

それは“友達が入院した時、なんて話しかけるか”を考えてみることです。

もし、あなたの友達が入院してお見舞いに行った際、なんて話しかけるでしょうか?例えば…

「どこが悪いの?」
「体の調子はどう?痛いところはある?」
「いつ・どこで・どうなったの?」
「主治医の先生はなんて言ってる?」
「退院はいつ頃?」

こんなところでしょうか?
これ、患者さんにもそのまま使えると思いませんか?

「どこが悪いの?」
 →「体のどこが悪いと聞いていますか?」

「体の調子はどう?痛いところはある?」
 →「体の調子はどうですか?どこか痛みますか?昨日と変わりありませんか?」 

「いつ・どこで・どうなったの?」
 →「いつ調子が悪くなったんですか?自分で救急車を呼んだんですか?」

「主治医の先生はなんて言ってる?」
 →「主治医の先生からどんな説明を受けていますか?」

「退院はいつ頃?」
 →「退院はいつ頃と聞いていますか?」

あくまでも一例ですが、”自分の友達が入院したときに気になること“を想像し、患者さんとの話題に当てはめてみることもおすすめです。

3.PT・OTの実習生として意識すべきこと

少しずつ、患者さんとの会話のイメージができてきたでしょうか?

様々な学生を見ていると、正直ただの雑談で終わっている学生をよく見受けます。
僕自身が学生だった頃を思い出すと、僕も同様にただの雑談で終わってしまっていました。

もちろん、雑談も大切だと思います。患者さんの緊張をほぐしたり、病気に対するマイナスな感情から離れられる時間を作ったり…いろいろな側面がありますよね。

けれど、PT・OTの実習生として意識して頂きたいことは、“会話も情報収集である“ということです。

僕らリハビリの仕事は患者さんのニーズがあって成り立ちます。学生の皆さんも患者さんのニーズを聞き出す場面があると思いますが、、、

「できるようになりたいことはありますか?」
「今、困っていることは何ですか?」

等の様にダイレクトな質問をしてないでしょうか?
患者さんによってはこの聞き方も良いと思われますが、雑談の中からニーズに関連する情報をとらえることができればベストです。

例えば、その人の生活歴や価値観・大事にしていることなどを引き出せる様に、内容を深堀りするような質問をしてみて下さい。

「出身はどこですか?」→「都会に出ようと思わなかったんですか?」
「仕事は何をされていたんですか?」→「なぜその仕事を選んだんですか?」
「何か趣味はありますか?」→「それを始めたきっかけは何ですか?」

みたいな感じです。

こういった深堀りする質問によって、その患者さんがどういったキャラクターで、どういった人生を歩み、どのように意思決定をしてきたか、どんなことを生きがいにここまで生きてこられたのか等の情報が浮き上がってくると思います。

直接的なニーズが聞き出せなかったとしても、そのような情報を集めることで、「この方は〇〇な人だから、□□□を気にしているかもしれない」、「〇〇な生活をしてきた人だから、□□□を望んでいるかもしれない」の様に、新たな質問の糸口がみつかります。 これができていないセラピストは意外と多いので、学生時代から意識しておくとめっちゃいいと思います!!

4.まとめ

患者さんとの話題に困ったら、これらのことを意識してみましょう。

  1. とりあえず家族関係の話は避ける
  2. 患者さんを”入院した友達”と思って話す
  3. 発言を深堀りする

患者さんとの話題に困ったら、ぜひ実践してみて下さい。バイザーよりも深く、患者さんのことを理解してみましょう!

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

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